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【ノウハウ】極太個体をどう仕上げるか-前編

2020.07.08 (Wed)
今年度意図せずインフレを起こしてしまった我が家の個体群。上位より、羽化直後赤い状態で、8.13、7.92、7.61、7.5、7.4と揃えてきています。それらのスーパー極太顎個体群については後ほどご紹介していきたいと思っています。そういう系統のランクがSランクに該当するため、ここまでの系統群はまだAランク以下ということになっています。ちなみに、そういう超極太個体群は完品です。

【そういう個体達】
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極太は辛いです。先にも述べましたが、顎幅マックスや顎幅の上限解放を狙っておらず、形状を狙った結果そういうことになっているため、異常顎基部幅になった際の不全回避力についてはそこまでを想定していません。従って、上記極太顎もの以外にも7クラスが多く、そういった個体群は蛹化・羽化・羽化後の硬化に苦労をするケースが多いです。これについては次世代で調整し、問題を1代で解決し切るつもりです。それは置いておいて・・・・

理不尽な程に困難が降りかかってきました。
今年はこれとの激闘が達成感を超えてトラウマの領域になりました。

トラウマを植え付けられるだけでは面白くありません。大切なのは、そうならないようにどうするかを開拓すること、そしてそうなってしまったらどうするかという対処法を、これまた開拓することですね。苦労をして、闘い切った分、得られたものも多くありました。それについて、今年度時点での見解を書いておきたいと思います。長文になりますから、内容をしっかりと抑えていくようにし、画像は後ほど暇があったら差し込みたいと思っています。

【本記事の内容】
テーマ:激太個体を完品で仕上げるために心がけるべきこととその理由
①蛹化の時点で行うべきオペの先にある配慮
②羽化時のフォロー・Extended
③羽化後のトラブルの解決法

※困ったらどうするか、今の手持ちの虫に対してできること
  が趣旨ですから、不全回避血統を作るとか、
  そういう話題にはほぼ触れません。

極太個体の蛹化のメカニズムについては以前にブログで解説していますから、ここでは羽化の時点での困難について説明していきたいと思います。しかし、その羽化について分析するためには、蛹化のステージを再度見直す必要がありました。ですから、説明は蛹化のステージに、一旦さかのぼります。

今年度の困難に立ち向かった結果、今後の為にまず着目したのは超極太個体のエリトラです。これが、シワシワゴリゴリになることが私には改めて理解不能でした。何故オペを始めたのかというと、「極太個体が不全になる理由が解せない」と思ったからでした。「極太だから不全になったんだね」は、不全になる理由を何一つ説明していません。太いから不全になる理由が分からない。それを考え観察した結果、蛹がそもそも正常に仕上がらないこと、そしてそうなる理由が分かりました。だから、蛹調整をし始めたということです。

私はそういう無駄なことを考えてしまいます。ですから、極太個体の羽化の難しさについてもそういうことを延々と考えてしまいます。そこで気になったのが、極太個体の翅シワです。これは、蛹化のオペの延長にある話です。

極太個体は、同系統内で比較して細物とは明らかに違うエリトラを持っていることが多々あります。これが分からない。何故分からないのかというと、蛹化に立ち合っているからです。蛹の模範解答は知っているつもりです。ですから、その模範解答に向けて蛹の形状を整え、仕上げています。

両手を氷で冷やしながらの作業ですので、虫へのダメージ、虫の体力減少も可能な限り抑えながら行っています。つまり、蛹は理想的・・・・細物と同じ水準で仕上がっているのです。にも関わらず、成虫の翅が細物とは明らかに違った形で出てくる。これは一体どういうことなのか。

これから説明することは全て仮説で、理科的根拠には基づいていません。しかし、私なりに今年度であれば100近くの蛹化・羽化に立ち合い見て触って感じたことを根拠として書いていきます。

【蛹化時点でのオペの先にある配慮】
まずは、いずれにしても蛹化のステージにさかのぼり、考える必要がありました。極太個体の細物との違いは、顎と頭部の大きさ・体積です。当たり前だと思われるかもしれませんが、ここをストイックに掘り下げていきたいと思います。

極太個体は顎が非常に大きく、また顎が大きくなることで頭部が牽引され、頭部も同系統の細物と比較して幅広いことが多いです。そもそも強烈な基部幅が付いてくるわけなので、頭の形が台形チックになることがおおいですね。顕著なものだと頭部が顎の張りによりハート形になっているものを見たことが有るので、まぁ間違いなく顎は頭部を牽引していると思います。

余談ですが、我が家の虫が他の系統と異なり明らかにスペックブーストをするのは、こういうことに背景があったかと最近気づき始めています。多くのブリーダーが顎を太くしようとしています。極太個体は頭も大きいです。これは極太顎になった結果頭が牽引された、そういうことでは無いかと思います。しかし、その逆に、顎が頭を牽引するように、頭も顎を牽引するようです。我が家の虫たちは頭を大きくすることに血の作り込みの価値基準の比重を寄せています。我が家の虫たちは確かに顎が太いですが、何故顎が太いかということについては、結果は同じでも背景は逆、顎を太くしようと作られてきた虫たちとは真逆の理屈でそうなっている可能性が高くなってきています。頭が顎を牽引した結果、より太い顎を搭載できる頭部になり、これにより顎幅が出てきているのではないかと考えています。

こういうことだから、我が家の系統群は顎を太くしようとしてきている他血統に対し、顎幅のスペックアップをするのではないかと感じ始めています。我が家の個体群は確かにスペックのブースターになります。ですが、スペックアップをほぼしない組み合わせも存在します。それは、本当に全くさっぱり顎幅を狙っておらず、形状のみを狙ってきた血・・・・それとのコンボについては、顎幅をGXのレベル、6.7mmクラスまでしか牽引しないことが殆どです。極太を狙ってきた血との組み合わせの場合に、GXよりも、相手方の血統よりも太いマックス値オーバーの顎幅を抑えてくるケースが増えます。我が家の系統がより懐の深い頭部を搭載させ、それにより顎を太くしようと練り込まれてきた相手方の伸び悩んでいた顎幅の天井を崩壊させる、そういうことが起こっていると考えています。これが2020年の我が家の血に対する見解です。

さて、話を元に戻して、極太個体はいずれにしても大きな頭と大きな顎を持っています。しかし・・・・・


確かに、極太個体になる幼虫の頭部は大きいことが多いです。が、ホペイの幼虫頭部がオオヒラタのそれのように大きくなることはありません。まず、頭部については大きいと言っても常識の範疇に大きいだけであり、77mmで26.5mmの頭幅個体がいて、77mmで頭幅30mmの個体がいるような、それほどの差は出ません。次に、幼虫の胸部。これについても、数ミリの差はでますが、異常なレベルで胸部が長い・太い幼虫は出ません(長い幼虫が太い個体を出しやすいと言われますが、もしそうだとすると、胸部が長いのかもしれませんね)。まぁ、ここについては懐疑的に読んで頂いても大丈夫です。いずれにしても、それでも22g~35g程の大きな体格の差が出ます。要するに・・・・

要するに、幼虫は腹部がデカくなる生き物なのです。30gの幼虫と35gの幼虫を比較すると、どこの体積が最も違うかというと、腹部の体積が違います。また、少し話が変わりますが、幼虫のダイエットについては殆ど意味がないと今年度、昨年度実験をした上で考えています。腹が出るものは出ます。そして、ここで言及することと合わせ、ダイエットについてはマイナスの要素の方が多いと考えるようになっています。

どういうことかを説明していきます、まず、顎幅を7.5mm超級にするためには、そこそこ体重を乗せる必要があります。何万分の一の奇跡の個体も存在するのは知っていますが、では宝くじ的にブリードをするのかというと・・・・いや、率で獲るという正攻法もありますよね。ですが、であればこの記事は無意味です。いや、ホント、突出した顎幅出したければ簡単で、我が家のGX50系や、TRS系を1系統ガチで500やれば出ると思います。今日の記事の内容はそうではなく、どうやって狙って、その何万分の一の確立を、何百分の一まで下げるかという話です。そのためにはまず体重を乗せる必要があります。大きな個体であれば、数値を獲りやすくなります。何が大きな個体かというとまずは成虫が大きな個体です。72mmものと、77mmものを比べるのであれば、明らかに後者の方が顎幅を抑えてくる可能性が高まります。そして、そのためには大きな幼虫を育てることが必要です。

その幼虫が前蛹として横たわった時、最も大きな部位は腹部です。様々な方向に話が飛びましたが・・・・極太個体の蛹は頭部・顎が大きいです。前蛹の段階では、大きな個体は腹部が非常に大きいです。つまり、極太個体はノーマル個体と比較し、このでろんとなった前蛹の腹部の内部がより多く上半身・・・・・顎・頭に流れ込むと考えるのが自然です。幼虫の頭が大きくても、ボディーが大きくなかったり、減量されたりしていると、頭顎がむちゃくちゃにデカく下半身が小さな虫では無く、全体的に小さくなった極太になることが多かったです。これが減量について否定的になった理由であり、スーパー極太巨頭にするためには、絶対的に体液の量が必要となることが殆どであり、従って減量ではなく、しっかり乗せに乗せ、一定の腹出し率を伴っても、多量の体液を上半身に送ることができた上限個体の完品を着実に得ることにメリットがあると考えているからです。いずれにしても、この大量の体液を上半身に送り込むこと、ここにまず困難の壁があると考えています。

前は蛹に変態する際に、まず体の形を整え、そこから腹部をギュッと圧縮して頭・顎を膨らませます。超極太個体の30g超級ものになってくると、信じられない位大きな腹部が信じられない位小さくしぼみ、信じられない位大きな頭部・顎が出来上がります。触った感触もノーマル個体と違い、極太個体の前蛹・脱皮直後の蛹は柔らかいように感じます。思いきり収縮・膨張できるようになっているのかなぁ、なんて考えています。いずれにしても、絶対に極太個体の方が大変なことをやっており、体力の消耗も激しいと思われます。

25㎏のダンベルを片手で持ち上げること(アームカール)はできないかもしれません。しかし、25㎏のダンベルを片手でキープすることはできる可能性が高くなります。キープしておく方が力は掛けやすいのかもしれません。そういうイメージで考えてみると、極太個体にとっては、蛹化のステージで圧力をかけている膨張期間が非常に大切であると考えられます。どういうことかというと、ぎゅーっと締まった腹部の状態をキープし、その間に頭部・顎がどんどん膨らんでいきます。しかし、この時に振動や衝撃を与えると、蛹はお尻を回転させワンダリングを行います。その後、静かにしておくとまた腹部をぎゅーっと縮め始めるのですが、最初程は縮めなくなってしまいます。こういうことが起きた結果、蛹の腹部に体液が残り、上半身に送り込まれるべき体液が、それ未満の量しか送り込まれないということが起こっていると考えています。腹を縮めることは幼虫に取って大きな負担であり、縮めることよりも、キープすることの方が楽なようです。

ですから、2019年からは、蛹のオペはやることがあっても、収縮行動を始めたら何があっても触らず、振動も与えない。絶対に腹部を回転させたり緩ませたりさせないようにし、1日は足音すら響かない場所に安置するようにしました。これにより、対照実験ができないことではあるものの、顕著に「腹出し成虫」が減ったと感じました。

さて、最初の話に戻していきたいと思います。
この膨張については、視覚的に分かりやすくイメージをし易い顎・頭を例に解説しました。しかし!もちろん膨張しているのは顎・頭だけではなく、脚やエリトラについてもそうであり、膨張がとても大変で、時間も長くかかる極太ものはその結果・・・・成虫になった際に最もよく伸び変化する、つまり違いが形になって表れやすいエリトラに、体液不足・・・・その結果の縦シワが生じている・・・・・というのが私の現在の見解の一部です。

だから、超極太個体については、顎が抜けた段階で太いと分かっているのだから、可能な限り膨張に集中し続けさせる、それ以外の行動をとらせないようにする。これが中堅極太ものよりも遥かに大切である、オペで形を整える並に大切であると分析しています。

まず、前編をまとめておくと、以下のようになります。

【蛹化の時点で特に気を配るべきこと】
・極太個体であればオペで形状を整える
・その上で、膨張を始めたら絶対に触らない
・膨張が終わり、うっすらと粉を吹くまで安置する
・腹部を緩め、体液が下半身に残らないよう気を配る

※理由
超極太個体はより多くの体液を腹部から上半身に流す必要があり、
そのポンピングは一度力を緩めさせると弱くなり、
下半身に体液が残っていると考えられるため




しかーーーし!!

ここでこんな突っ込みを心の中で抱いてしまった方、
仰る通りです!



じゃあ、メスは何でゴリゴリになんのよ?

大丈夫、分かってる・・・・
他にも色々ある詰め切れていない部分・・・・
それを中編・後編と続く中で紐解いていきたいと思います!!



中編へ続く
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