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2018年度段階採卵法 完成

2018.08.06 (Mon)
2018年今年度段階の採卵法を事細かく書いてみようと思います。
このところ毎日帰宅するなり浴室に直行、寝室に直行、何とか睡眠時間を確保、
とりあえずは採卵法を早めに書こうと思った次第です。

現在の採卵法を記録するにあたり、まずは私の採卵経験の背景から追っていかねばらないと思います。
まず、私の最初のクワガタ飼育の感想は、”採卵難しい”でした。
以前にも言及したことが有りますが、私は飼育はオオクワガタからスタートしていますが、
幼虫を2頭3頭高額で購入して大切に育てるというスタンスであり、
当時高額であったオオクワガタのペアを買うなんていうことは到底できませんでした。
オオクワガタの幼虫を数頭購入して発酵マットで大切に育て、
♂が羽化したらいいな、そういう飼育でした。

その後もちろんブリードの道に足を踏み入れていくわけですが、
最初のスタートはヒラタクワガタでした。形や、サイズという概念があまり強くない頃であり、
特に形については飼育者の意識がほぼ向いていない頃であったため、もっぱら興味はデカさでした。
相対的な大きさについてもあまり言及されていなかったので、
自然とそもそものサイズが大きなヒラタクワガタに手を伸ばすことになりました。
最初の飼育種は、アルキデスヒラタでした。このアルキデスヒラタで頑張ってセットを組み、
2頭の卵を回収、2頭を腐らせました(爆)

つまり、今でも記憶に鮮明ですが、ブリード初年度は、
飼育が優しい種にしてゼロという凄惨な結果を迎えることになりました。

次に飼育したのはダイオウヒラタでしたが、
これも採卵が出来ず終了となりました。
発酵マットに材を埋め込むという極めてオーソドックスなスタイルでしたが、
ゼロ頭という、「のびた君って毎回0点取っているけど、それの方が難しくないか?」
という感覚を覚えるほどに採卵についてはダメダメでした。

いじくりまわしていたのが一番ダメだったのでしょう。
毎日材を転がして確認しまくっていました。こういうスタートを切っているものですから、
じゃぁオオクワガタを育てようとなっても、オーソドックスなセットでは全く採れる気がしません。
採れる気持ちが持てない、採れる様子が想像できない、自分は採卵がド級のへたくそである、
というのがおよそブリードと言われるものに足を突っ込もうとした頃の自身に対しての印象でした。

ですから、卵が見えないと全く安心できない。
まだ菌糸瓶採卵という概念が巷には情報として無いころから、
オオクワガタのメスを、瓶の半分まで菌糸瓶の中身を詰めたものに突っ込み、
これで産ませていました。卵も確認できるなり直ぐに回収し、
1♀から5頭程の採卵を行っておりました。
だって、材を転がしたセットなんて産みそうに無いじゃん、というのが私の採卵スタートでした。

ボトルに産ませることについては、そこそこの結果が得られたため、
暫くはこういう採卵を行いました。ダイオウヒラタについても、
でかいPPボトルに1本材を縦に入れ、その周りを発酵マットで固め、
ボトル1本から30頭弱をかいしゅうできるところまで行きました。
そこそこ数は採っているけれど、
実は材に産ませたことが無い・・・・・というへんてこりんなブリードをしていました。

そういう我流であってもそれなりに数が採れるようになってきて、
その頃にようやくホペイに手を出しました。
最初のホペイは江西省建寧のもので、
これは、小ケースに菌糸瓶の中身を半分ほど入れ、
そこに割った材を混ぜ込み固めたものに産ませるというこれまた変な採卵法でした。

現在は、これに近いものが「ズボラセット」という名前で売られていたりしますね。
それでも、10頭程度は採れました。
数年間、“まとも”なセットで産ませなかったことになります。
これに対し、何をやっているんだという言葉を貰い、
ようやく普通のセットをすることになります。順昌や、TP:Eに手を出した瞬間の頃です。

そこから、セットをとりあえず無理やり信用し、
小ケースに材を1本転がし、確認のサイクルをそれでも早めるというセットを組んでいました。
材は教科書通りに半日加水し、マットは黒化した発酵マットを使用、
メスが材を削って出たおが粉が分かりやすい・・・・・
とにかく、安心できる、確認できる、見てわかるというセットを組んでいました。
1週間くらいでセットをローテーションしてドンドンセットを変えていくという組み方をしていました。
ローテーションのお陰でそこそこ数が採れるようになりましたし、
材へ産ませることについても1回上手くいけばちゃんと産むものだと頷けるようにもなりました。
さて、ここまで長かったですが、
私はそういうことで、採卵ドへたくそという自覚からブリードを開始しており、
採卵についての不安についてはぬぐい切ることがないまま何年も過ごしました。
また、いつまで経っても、均一な形をした材にメスが卵をやたら産むことについては、
違和感を感じ続けていました。

転機が訪れたのは、あるTP:Eのペアを組んだ時のことでした。
このマットで、こういう風に加湿してやってみなというアドバイスをもらいやってみたのですが、
それが当時の私にとってはヒドイセットでした。

ただのほだ木を砕いただけの、加水すらされていないマットに、
半日加水した材を加湿後すぐに皮を剝き投入するというセットでした。
セット後、3日でマット自体が緑にカビ、こりゃぁ酷いものだとがっくりしました。
それでも、数を採る人からもらったアドバイスなので、
アドバイス通り2週間はそのままにし、絶対にダメになったセットであると放置しました。
ある日見てみると、セットの側面に幼虫が見られたため、
まぁ割ってみようかと産みを確認してみました。そうすると、
そのセットからはなんと40頭を超える幼虫が得られました。
驚愕でした。
これについては、現在の採卵法の基盤となっているため、後述します。

しかし、当時は、やはりそのセットについては最初からアオカビの猛攻を受けたこともあり、
2度やってみたいとは思いませんでしたし、採れたのもまぐれであろうと思っていました。
が、その後色々ブリードをするうちに、
あれ?水分量こういう感じがいいのかな?
こういうマットの方がいいのかな?材はこういうのがいいんじゃないかな?
そういう結果論を得るたびに、その頃のセットに通ずるものを感じてくるようになりました。
そうして、であれば、もう一度そのようなセットを組み、
そこにここまでで得たノウハウも交えてみようと組んでいるのがこの数年のセットです。

採卵についても、色々なことを考え紆余曲折しながら現在の方法に至りました。
とりあえず、やってみたから上手くいったとは思っておらず、
記録もとってきたため、この方法は一定当たっているとも感じています。
材も、2012年頃までは、太物と呼ばれる高額な材を使っていましたし、
材をレンジでチンしたり様々やりました。
これまでにやってきたことでブログの1つを思い切り埋められそうです。
が、今回の記録の趣旨からは外れてしまうので、そこは割愛しようと思います。
とりあえず、色々、やってみたことはやってみた、ということでした。

さて、
我が家のセット法の記録を始めたいと思います。

しかし、その前に必ず触れておきたいと感じていることが有ります。
これを抜きにして、採卵は上手くいかないという気持ちがあります。
それは、メスの管理です。

マイマイカブリの飼育において、交配したら即産むというものではなく
、体内で卵を作ったりする期間が一定必要なものであり、
それは栄養を摂取させたところから始まるという感覚を学びました。
繁殖に初めて挑戦した際は、兎に角産まず、
床材等をひたすら工夫し模索しました。しかし、上手くいかず、
解決をしてくれたのは工夫ではなく時間と給餌でした。
カタツムリを与え続けていためすは、いざ産むとなるとどこでもいつでも産む印象でした。
ハナムグリの飼育についても、最初は全くマットにもぐらず、餌に抱き着いたまま・・・・・
産む気がしませんでしたが、適切に餌を食わせ、休養させ、
メスがほぼ餌に興味関心を示さなくなった頃にもう一度採卵行動に移すと
多くの子どもが得られるという感覚を得ました。従って、ホペイのメスについても産ませるまでの
準備が実は非常に重要であるということを感じています。

毎年、材については凄く沢山の質問を頂きますが・・・
私は、材1に対し、メス9だと考えており、材は毎年適当です。
採集してきたクワガタ・カブトで産むモードに入っているものは
何にでも・どこにでも産もうとします。
ホペイについても、そういうメスを作らなければ、
爆産はまぐれでしかないという感覚が他種を育てたことで得られました。

そのメスの管理も含め、採卵の手順を書いてみようと思います。

【2018年度採卵法-メスの管理】
1. 新成虫のメスには羽化後2週間から餌を与える
2. 新成虫のメスへの餌やりは、産卵中のメスへのエサやりよりも気を付ける
3. 9月になるまで、マットを交換しながら餌を与え続ける
4. この期間の餌は高タンパクゼリーにする
5. 11月まで餌を与え続け、12月には休眠させるようにする
※屋外で虫が見られなくなってからは、高タンパクではないゼリーに切り替える
6. 食い始めが早かった♀と、休眠が早かった♀は産む能力が高いメスとしてメモをする
7. 4月にメスを起こし、餌を投入し続ける
8. 5月のゴールデンウィークまでは餌を与え続ける
9. 5月の中旬~下旬に交配を行う
※冬眠から目覚めて1ヶ月以上餌を食わせてから交配をさせる
10. 6月の頭に採卵セットに投入できるようにする
11. 交配中は、高タンパクゼリーと黒糖ゼリーを与えるようにする
12. 1週間程度同居させ、採卵セットに投入する
13.採卵中は高タンパクゼリーを与えない


メスには、従って休眠期間と、メス単独飼育にて餌を食わせる期間を、
大変長く設けるようにしています。
また、このようにして休眠・給餌を与えていないメスについては、
如何に期待が大きく早く取りたい気持ちがあっても、交配・産卵はさせないようにしています。

メスは、適切に休眠・給餌を行うと、交尾を迅速に行う印象があるように感じます。
我が家の良く産むメスは、後付け論ではありますが、
1日でオスととなり合わせで餌皿の下に寝ていることが殆どでした。
逃げ回ったり、メスが交配セットの隅に埋まっている(笑)
なんていうメスからまともに採れた印象がありません。

更に、メスの交配解除についても、
様子を観察しながら自然に合わせ行うようにしています。
恐らく・・・・これは推測でしかありませんが・・・・
屋外においては、樹洞の中で暫くオスと過ごし・・・・
その後産卵をしようと思ったメスは樹洞から一人で出てきているはずです。
エサ皿を転がした交配セットにペアで入れておくと、
ある時を境にメスが徘徊をするようになることが観察できます。
この瞬間、私は”しめしめ”と思いメスを取り出し、
採卵セットに間髪入れず投入するようにしています。

自然のものですから、旬が命
であり、メスの旬を作るように管理し、
交配後のメスの産卵意欲が旬にあるうちに産卵セットに投入する
・・・・最も自然でベストな管理を行い、
最も適切なタイミングで適切な場所へ移すということが
私の採卵の感覚の根底にあるように思います。

さて、ここから本題の採卵セットについて記録をしていきたいと思います。
先に書きましたが、まず採卵セットに対して最初に抱いた疑問は、
「こんな丸太っぽいものに、自然界のクワガタは産卵をしているのか?」ということでした。
もっと、崩れたような、ボロボロしたところに潜り込んで、
材質の良いところに産んでいるのではないかということを考えました。
さて、そう考えてみると、先述した爆産したセットの取り方は腑に落ちるところがありました。
どういうことかというと、材に産ませるのではなく、
ケースそのものが大きな材の塊になったかのようなセットであったことは確かでした。
書き忘れましたが、材も細材を隙間なく縦に入れるという妙なセットでした。
材を針金で巻いて大きな材に見立てる方法がありますが、
デカいメスは確かにこういう方法では良く産みました。
そういうことを、ケース一体で行うイメージなのではないかなぁと思いました。


では、我が家のセットですが・・・



【セットについて】
1.材について
・材は、直径8㎝から10㎝程度の普通のものを使用
※私は、誰でも買えるような普通のお店から、普通の材を買っています
  以前のような高額な材は使っておらず、材については、
  1本250円~400円をかけています。
・材はコバエシャッターに水を張り、漬け、普通に加水してます
※以前は、カルキを抜いたりだとか、
  ブラックウォーターにしたりだとかやっていましたが、
  今は、水道水を直で入れて直でつけています
・材は、1日から1日半水没した状態にしています
・必ず陰干しをするようにしています
 1日漬けた場合は1日、1日半漬けた場合は2日陰干しをしています
・陰干しをしてから、皮をキレイに剝き、セットに入れています

2.ケースについて
・コバエシャッター中かコバエシャッター大をつかっています
・コバエシャッター大⇒3本  、コバエシャッター中⇒2本
 と、ケースに合わせて材の本数を変えています
・気にすること
 材と材の間隔を非常に気にしています。
 メスが、材と材の間にもぐれないような場合は材の本数を減らし、
 材と材の間隔が一定あるようにしています。

3.マットについて
・マットは、発酵が進んでいないものを使っています
・場合によっては、クヌギを粉砕しただけのものを使います
・発酵マットの場合は、暫く乾燥させ、水分を飛ばしてから使っています
・パッサパサのマットにしています

4.セットの組み方
①まず、ケースの下から3㎝程度、ガッチガチにマットを固めて詰めています
 ケース下に雑誌を強いて詰めないと、ケースが割れます
 そのくらい固く強固に詰めています

②その上に、マットを2㎝程度ふんわりと乗っけるだけ、
 という感覚で置いています

③そのふんわりと敷いたマットの上に材を転がします

④材の周りにマットを流し込んでいきます

⑤材はVの字に並ぶようにし、平行には並べません、
 切断面に産ませるためです。
 また、材の切断面は、マットを擦り込み、
 カビが生えにくいようにしています

⑥材の角の部分に、湿らせたマットを詰め込み、
 マットが材の角とかみ合い、材が揺らがないようにします。

⑦ゼリーを、ケースの4隅と、材の間に置きますが、
 ゼリーも材と材の間、材とケースの壁の間に噛ませるようにし、
 材が揺らがないようにすることに細心の注意を払います

⑧指か、ペンなどで、材の両脇に、
 ”メスがもぐった跡”のような空洞を作ります。
 メスがマットを掘らなくても、材の下に潜り込めるように、
 あらかじめマットを掘ってあげる印象です。




このような感じで、セットを組んでいます。
セットを組んで、3日目にはカビが生え、
4日目にはカビで覆われ、
5日目からカビが消滅し始め、
1週間で完全にカビが無くなる印象です。

ゼリーは1週間に1回全交換しますが、
それ以外の期間はケースに触らず、
削っているかの確認もせず、
ケースの近くに寄りもしません。

試し割も、本命については絶対にやりません。
今期オークションに交配済みのメスを出品しました。
この際、オスの種があるのかという質問を頂きました。
割ろうと思いましたが、やはりやめました。
それほど、試し割は私にとっては致命的です。
譲渡が確定している場合や、よっぽど盛り上がっているときは、
たまに試し割もやりますが・・・・
ネガティブな印象しかありません。

メスは絶対に3週間未満で抜くようにしています。
私の場合は、2週間でメスを確実に抜いています。
今年は、平均10日でメスを抜きました。
齧りが早いものは、1週間で抜きます。
メスが、幼虫を思った以上に早く食い、
幼虫を食いながら次の卵を産むようであるからです。

どうせお金をかけるのですから、産む・採れることにお金をかけるようにしています。
従って、齧りが良ければ1週間でメスを取り出してしまい、
さっさと次のセットに入れてしまうということをしています。

このように、我が家の採卵法には、何も新しいことは無いのかもしれません。
面白いことに、発酵をほぼしていないマットを上記のように組むと、
相当の数がマットから出てきます。どうも、ガチガチに詰めたマットも、
材の一部であると感じているようです。

即ち、私がセットを組むときにイメージしていることはあり、
それは、
言語化するならば、
先述のとおり、
材に産ませるということではなく、セットに産ませるという感覚です。

セット全体を材に見立てて、固い部分、柔らかい部分、水分を考えます。
メスが産む材と同じ水分を、マットが含んでいるように考えています。
メスが産む材の質と、マットの質が近いように意識しています。

それ以外は、ちゃんと加水し、ちゃんと陰干しし、ちゃんと皮を剝き、
材が揺れないようにし、ケースに触らないようにする、
暗いところに置く、どれも、
オオクワガタの飼育法が見つかったころからの、
誰でも知っているような教科書通りのことを、
過剰に神経質に徹底する
ようにしています。

さて、この方法が正解であるかについては、正直分からず・・・・
今後、どこかで凄い苦労をするんだろうなとは思っておりますが・・・・
長文、面白く読んで頂ければ、嬉しいなぁ、と思います。
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我が家の採卵法-予告

2018.08.05 (Sun)
3回連続で、平均割り出し数を1セット当たり20頭以上、
メインラインのメスからの1♀平均産卵数40を超えたため、
そろそろこの方法を記録しても良いものかと、
2014年度の採卵から続けている採卵法を、
ブログに記録しようと思います。

今日は急に体調を崩したので、
一日寝ていました、が、すぐに回復してきました。
このところ、8時から23時近くまで仕事に行っているので、
中々思うように更新が出来ませんが・・・・
近いうちに更新しようと思っています。

ホペイに対しての熱は上がっており、
考えていることも沢山あります。
どうせ、考えていることは、
1週間後、2週間後にはまた変わっているのでしょうが、
どんな移ろいを自分がしたのかについても、
記録を続けていきたいものです。



アウト交配法①

2018.07.23 (Mon)
そういえば、去年、2018年度の交配が上手くいけば、アウトの交配法を紹介する予定でした。アウトの交配においては、物凄く様々な要素を考えて交配する為、全てを書ききれませんので、好評であれば続編を、不評であれば、氷山の一角だけお見せして終わろうと思っています。文字だけのブログになりますので、他者の飼育環境や観点に興味があるコアブリーダーの方なんかには一定興味を持って見て頂けるかもしれませんが、成虫を沢山見たい方にとっては退屈な記事だと思います。また、全てを記録すると恐ろしく長い記事になってしまうので、湿度や温度や添加や菌糸の粒子の荒さ等細か~い点には触れない予定です。とりあえず、再現性が高いものをご紹介してみたいと思います。

私が交配で意識をする大分類的項目は、分かりやすいところであれば、顎の形状、オス成虫の平均的サイズ、縦横比率、肌質、縦幅等に絞ることができるものと思っています。細かいところでアウトで気になる要素は、100項目以上あるでしょうから、全てについて言及していくには2年はかかるんじゃないかと大袈裟ではなく思ってしまう程です。また、そういうのを無根拠な感覚で選ぶ場合ものあるので、そもそもこの手の話は正解が無いものであるとも思っています。ただ、そう言ってしまえばそこまでの話なので、出来る限り分類は簡素化し、一定結果を出した見解について記録を残してみようと思います。

今回は、顎の形状に焦点を絞り、現在の見解を自己満足的に残してみようと思います。顎の形状については、私は、狙いたい形状を使わないことが多いです。それよりも、顎の形状がマッチするかどうかという観点を持って組み合わせを作っています。丸顎と丸顎や、ストレートロングとストレートロングを掛けて、同方向性を狙いながらにして丸くなかったりストレートで無かったりする個体が出てくる率は結構下がってきます。丸顎と極太ストレートを交配した場合は次世代は本当にどうなるか分からないという感覚があります。極太と湾曲を交配し、極太湾曲を出したいという気持ちには大変共感できるのですが、少なくとも私のところではそのような交配において上手くいったことは稀です。それよりも、似たような顎シルエットを交配すると、いい所取りが出来ることが多いという印象です。

ちなみに、数値化すると、去年のアウトによるアタリラインの率は65%程度、今期のアウトにおける成功率は正確に80%です。では、似たような顎とはいったいどういうことなのか。現在私の中で脳内言語化できている範疇で表現をするならば、影絵にしたときの顎のシルエットが似ているかどうかということになりそうです。顎の内歯の形状や、うねり、水かきの発達、厚みなどは勿論気にして、親の組み合わせ選別を行いますが、それよりも、一番気にしていることは何かと問われれば顎のシルエットになりそうです。顎のシルエットについては、ほぼ完全に合致する程に拘って交配を組むようにしています。その代わり、内歯の体積や向き、顎の中盤の太さや面積、厚みについては先ずは考えないようにしています。

私は、アウトでは凄い個体を狙うよりも前に、外さない組み合わせという狙い方をします。その中で、超爆発を狙うことがありますが、それは基本的にこの2年は外しています。では、超爆発を狙わなければよいではないかということになるんですが、まぁ確かに損得で行けばそうなんでしょうが、そこを狙ってしまうのがブリーダーとしての病気なところなので、これはある種の不可抗力であると思い、この賭けにでる性分については一定諦めているところがあります。賭けは行いますが、固く抑えたい時に付いては、このように、顎のシルエット、特に外縁の形状が同方向性であるもの同士を掛けるようにしています。

楽しい夢いっぱいな交配は思いきりワクワクさせてくれるものですが、翌年のハズレ個体連発の現実には向かい合いたくないので、私は実は毎年の交配の8割は泥臭く地道な交配をしています。このAとこのBを足したらすげぇだろうなぁ、そういう感覚はかなりの昔に夢が多数粉砕したことにより消失しました。それよりも、この顎とこの顎の形状交配であれば、伸びしろが更に出来るのではないだろうか、そういう交配を行っています。つまり、一定狙っている形はあれど、こういう形が出るはず!と思ってブリードをしていることは振り返ってみればほとんど無いということになります。つまり、足し算的に形状を考えていないということと、数値を狙って叩き出すよりも、伸びしろを次世代で更に大きくするようなことを意識しているのかもしれません。

さて、この顎の相性について、まず一番信用できるのはオス親です。ですから、オス親については特に細かいことを気にしないで選出することにしています。別にF1でバラけが激しいラインであっても、気に入った形状であれば躊躇なく使うという方法を取っています。非常に神経をすり減らすのはメス親の方です。

私は、メスの選定に3時間程度を掛けることは珍しくありません。ただし、それはインラインでのメスの選別における取り組みです。アウトライでのメス選別については、インラインとは全く異なる観点で選んでいます。というのは、先に述べましたが、私は顎のみに照準を絞った場合、顎のシルエットが似ているもの同士を掛けたいと考えます。ところが、メスはオスとあまりにも異なる形をしているので、そのメスが似たシルエットの顎系質を有しているのかが大変分かりにくいものです。ですから、メスについては血の濃さを最優先してアウト交配をしています。いや、この表現は実は100%感覚に沿っていないように感じます。累代が浅くても、兄弟のオスの顎の形状の方向性がどれも似ている場合は、そういうメスを使うことが有ります。つまり、メスについては、このメスからは極太がでるかも!とか、デカいのが出るかも!ではなく、このメスは太いのを出すのかデカいのが出すのかは分からないけれど、でも、こういう顎形状の子どもはまず産むだろう、という形状の安定性を優先して選別しています。さて、一度平たくまとめてみたいと思います。

【アウトライン-顎編】
(1)気に入ったオス親を選出する
(2)そのオス親の顎のシルエットをよく観察する
(3)同様の顎のシルエットを多産しているラインのメスを導入する

つまり、例えば、円形の丸顎を狙いたいとすると・・・・・
(1)おお、この円形の顎、凄く美しい!なんていうオスを選別
(2)曲線部分が多いのか、角張って丸く見えるのか、そういうのを、
  外縁のシルエットに注目し、こういうシルエットの顎!と理解する
(3)そういう形状を多数出していそうなラインのメスを探す

こんな手順になっています。
上の例でいけば、従って、丸くてデカくて太い!とかいう欲張りを考えることはまず無くて・・・・それよりも、この雄と、このラインのメスをかけたのだから、太くならないかもしれないし、頭もでかくならないかもしれない、ディンプルもでるかもしれない、羽パカもでるかもしれない、と様々なネガティブ要素、失敗の想定をしても・・・・・”でも、顎が丸いのは絶対に出るだろう、どちらの血が出ても、良血統のネガティブ因子が発現しても顎が丸いのは出るだろう”という突き詰め方でアウトの親オス・親メスの選出を行っています。

ただし、これだけでは実に保守的なブリードをすることになり、流石につまらなさが極まってきます。そこで、私は、顎の伸びしろに注目するようにしています。顎の伸びしろというのも、これまた抽象的な表現しかできないのですが、私は、逆台形を狙ったり、ストレート包丁タイプを狙ったり、丸顎を狙ったりするときに、実は先述した内容と矛盾する用ですが、そのような形のオスを使わないことがこのところ増えてきています。最近は、丸くもなれるし、ストレートにもなれるし、角顎にもなれる・・・・そういう、中庸な顎形状のオスを親に使うことが増えてきているように思います。そのような何にでも化けられそうな顎を使うと、顎がパワーアップしやすいように感じます。恐らく、太く出たときに、どのような形にも転じられるために、蛹にかかる負荷も少ないのではないかと思われます。

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湾曲タイプに見えます。

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しかし、顎開きにすると、実は顎の幹の部分は、
かなりストレートで有ることが分かります。

この個体は、別に太く見えません。
これは、顎幅は最短で6.7mmでした。
ちなみに、頭は29.0mmでした。

GX50-Gの親であり、GX50-Vの親であり、GX50-Xの親です。この個体には、もちろん顎以外の要素もあり、それについて、今度、暇が出来れば書いてみようと思っているのですが・・・・如何にでも転じられる顎を使うことで、顎の形状の変化の柔軟性を活かしたり、顎の幅の数値を次世代でパワーアップさせるということを最近は考えるようにしています。少なくとも、今この画像を見ながら考えても、この個体を親にして、丸顎が出るイメージも湧くし、ストレートバズーカ顎が出るイメージも持てる、角顎が出るイメージも持て、長い顎がでるかもしれないし、短歯もでそうだと思えてしまうのです。そういう、どれを言われても、まぁ、出るんじゃない?なんて言えてしまうような絶妙な形状をした親・・・これを期待の出来るメスに掛けるというのが最近のアウト交配法の一つでした。

とはいえ、ここまで頑張って書いておいて、まだ顎のシルエットにしか言及出来ていないのが恐ろしいところです。流石に長文で疲れたので、続きはもしも気が向いたら。。
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