九州遠征-マイマイカブリを追うドラマ-完結編

2017.09.10 (Sun)
関東に帰ってきてから、殺人的な忙しさで、あっという間に夢幻想から現実に戻された感じがあります。発送したい荷物も出荷が滞っており、もやもやとしながら流星のように日々が過ぎていきます。

それでも九州、マイマイカブリ採集遠征の感動が薄れることはありません。帰宅し、わずかな睡眠時間の前に水槽の前に立つと、ホペイを手に取ってからでもデカイ!と感じるマイマイカブリが堂々と居座っています。

1週目、手ごたえ無し。



2週目、手ごたえ無し、気力がなくなる。




もう、本当の本当に本心からあと1週にすることに決めました。最後の1週だからといって、確率が上がるわけが無いのです。ただ、同じ確率がもう1回あるだけの話なのです。それが、採集の辛いところなのです。

しかし、その最後でどんでん返しがある場合があるのです。これが、採集の謎、神秘的で中毒性の最も高いところなのです。










山の下から、最後という灯に照らされる数%の期待感を膨らませ見て回ります。しかし、そう簡単にマイマイカブリは現れてくれません。もともと絶対数が少ないのです。車に引かれている個体も見かけません。いくら林道を照らしても、マイマイカブリが歩いているのにひょっこり出くわすという経験もありません。本当に、採りに行かないと出会えない虫、という印象です。最初のポイントは実績もありましたが空振りでした。だろうな、と思ってしまいました。

他のポイントもことごとく空振りです。そうして、それなりの個体が採れたポイントにやってきました。いつもは車から飛び降りるのですが、重い足取りで車から出ます。さて、私は下の方から、同行者は上の方から照らしていくという行動パターンでした。そのポイントは、山の比較的高いところであり、杉の木にトラップをかけたところでした。杉の木はライトで照らすと明るいので、パッと照らし、生き物っけの無いことがすぐに見てとれます。あぁ、残念。次も残念。さて、3本目は・・・・
















というところで、同行者がそろ~~~っと現れました。




YYさ~~~~~ん、あれ、マイマイじゃないですかぁ???








この時ほど心臓が跳ね上がったことはありません。彼は、釣りも上手く、採集も上手。デカイ昆虫を見て、ヌシ的存在の生物を見てきた人です。その彼が、じゃないですか??とそろ~~~っと言葉を吐き出したのです。そのおとなしく繊細な声の裏には、重厚かつ亀裂が入りそうな緊張感が含まれているのです。ここまで苦労をし、ここまで体力をすり減らせ、ここまで精神力を削り、そして巡り合ったマイマイカブリ、普通はテンションが跳ね上がるところです。しかし、その上でこのような表現、これは、大物がかかったのか???

現場数m先へ直行します。いきなり照らして、ポタッと落ちては大変ですから、そろ~~~っと照らします。一体、どのようなマイマイカブリがくっついているのか、見ていない私には想像しかできません。照らすと、黒い塊のようなものがぼんやりと見えました。







あぁ、あれは、
ざんねんながら、バナナトラップの黒化した皮の部分だ。。








確かにマイマイカブリのように見える。
でも、あんなにデカくてデロンとしている訳が無い。
なによりも、幅が広すぎる。当地のマイマイはもっと細身だ。

やっぱり、夜明け方まで山を駆け巡ると目もおかしくなってしまうようだ。
おかしいというより、おかしいレベルの採集をしている自分たちに業がある。

「あ、あれは残念なが・・・・・・






ん?






マイマイカブリかそうでないか、それを夜に見分ける決定的な特徴、それは、マットブラックであるかどうかです。マットブラックなものって、意外と自然に無くて、マイマイカブリは、ワイルドものが木にくっついているときって、雨でも相当なつや消しブラックに見えるんです。なので、木や葉の影がマイマイカブリであると長時間錯覚することもあるほどです。なので、今度は体積があるかどうかを見ます。体積があり、マットブラックな巨大甲虫の陰であった場合、それはマイマイカブリ以外の何物でもないのです。

先ほどのバナナトラップに見えた影は、マットブラックであった。もう少しいうと、少し灰色がかっていた。泥をかぶったマイマイカブリの特徴ではないか!!??





もう一度そろっと照らしてみると、その黒いシルエットの位置が変わっている!!
うわぁ!!!マイマイカブリだ!
物凄いエリトラの広さだ!!!

も・の・す・ご・い、
エリトラの幅!!!!

これがとにかくこの時に感じた大きな感想です。
良くみると、ひえっ、っていうレベルでは無いか!
さて、ここからコンマレベルの思考回転が始まります。


・まず、その杉の木はすぐ後ろが絶壁になっている。
・木の下には、ふかふかの枯れ枝が積もっており、落ちたらアウト。
・その目的の木まで7~10m。
・その場所まで行くために、まず下草を踏み分けなければならない。
・次に、枝を踏みながら接近しなければならない。
・木の根元よりも前は、幸いモグラが盛り上げてくれた土がある。
・その土を踏むことができれば、手が届くところまで無音無振動で寄れる。
・そういうことを考えている間にマイマイカブリは移動をする。
・木の表面は広葉樹ではないため、普通の歩行でマイマイカブリが落下する可能性もある。
 




ライトの輪郭でマイマイカブリの場所だけを辛うじて特定しながら接近する。






俺は生き物ではない。
俺は風であり、木であり、土であり、石であり、
石を持たない天然の無生物である。

そういう存在にならなければ・・・・・。




接近していく。
下草をそっと踏んでいく。
マイマイカブリに大きな移動は見られない。
近づけば近づくほどとんでもない体積のマイマイカブリだ。



枝を踏む。
血よ、流れを止めてくれ。




モグラが盛り上げた土の上に降り立つ。
マイマイカブリの体積が確認できる。
凄い、モンスターだ。
でも、そう思っている自分には生命っ気があるだろう。
無心になろう。
無心になろうと思っているうちは無心になれていなくて、
そういうことを考えているうちはまだ無になり切れていない。



手が余裕で届くところまで行く。
どのように掴むかのシュミレートを無心の中で行う。
体積があるはず、だから、上から抑えつけるのは愚策。
脚力もあるはず、包み込むように、しかし確実に握るように、
かつ落とさないように・・・・・・脳の中で成功と失敗が無限にループされる。







「100%・・・・・採ります」






そう言ったらしい。
その記憶が無いので、本当に無心になっていたようです。








マイマイカブリが、ゆっくりと木の上の方に歩行を始める。
カサカサしていない、のったりとしている。
重そうだ。凄い首をしている。
そして、なんて長い脚なんだ・・・・・。




手を伸ばす。
あぁ・・・・・・できることなら・・・・・鼓動を止めてしまいたいよ。。。。






ガツ!!






まだ叫ばない。
確実に獲物の感触を手の平の中に感じる。
直ぐに、落としても大丈夫な平たい路面に走りでる。


まだ叫ばない。
直ぐにクリアカップに入れる。













よおおおおおおおおおおおおおっっっっっっっっっっっっっっっしゃぁあああああやったああぁぁぁぁ!!!!!!








凄いのを採った。
とんでもない量のメタクリル酸と、エタクリル酸を噴出し、
腹部をひくひくさせている、
カップを横にして全貌が見えるマイマイカブリを捕獲した。
しかも、ド・カンピンである。
物凄い巨体である。感無量である。涙が込み上げた。


IMG_7182.jpg
怪物を採ってしまった・・・・!!

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胸部の立体感が鋭利であり、
かつゴツイ。標高がマイマイカブリとしては高いため、
脚がとてつもなく長い。
しかも、これほど素晴らしい個体ながら、擦れ・欠けの無い、
非常に美しい個体。

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ムクロの発達が、珍しく、とても甘い個体で、
サイズは60.2mm、前回の個体よりも長さはおとなしい。
しかし、プラカップの中では、前回個体が届かなかった天井に手を伸ばし、
捕まるような脚の長さ、体格の良さを誇る。
どちらが自己ベストマイマイかと言われると、間違いなくこっち。

神様、有難う!!
この採集には根拠はありませんでした。
確信もありませんでした。
でも、奇跡はありました。
福江以外で、このレベルのマイマイを採ることができた。
しかも、山地性のマイマイカブリで!






最後に、約束通り、B品の大型マイマイをリリース。
ゆっくり歩いていく姿に哀愁を感じました。
初めて、採集者として欲望を無くした採集でした。
あと1日やろうと思えばできるけど、
これ以上は無くていい。



最初の個体に地面で飛びついた瞬間、
その時のコマ送りのような映像。
この個体を見たときのエリトラ面積の衝撃。
一生ものです。
プライスレスです。





あぁ、楽しかった。
とても疲れた、凄くすり減った。
でも・・・・・・もうまた旅に出たい!














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九州遠征-マイマイカブリを追うドラマ③

2017.08.28 (Mon)
明るい人工的なところへ行って初めて現実を実感できる。
尚、現実が実感できず、翌朝朝日と共に獲物を眺めようやく実感できる。
尚実感が薄く、遥か離れた関東に戻りやっと真に実感できる。
そういうこともあるんですね。

6週目に入ります。異常です。この体力・行動力・根気・粘り強さは虫採り以外でも活かせるのでは。。確証が無いものほど辛いものはありません。夜も更け翌日になればなるほど採集確率が下がっていきます。結局、虫が出るのは9時~10時がベストタイミングだと思います。その時期を逃し、より確率が薄くなった漆黒の山中をただひたすら1%の可能性を逃さないように巡ります。鉄板ポイントに近づきました。4時間を超える採集時間、登山時間を経ながら、急かされるように車から降りる二人。♀のマイマイを採って帰る。あのマイマイでなくても良い。とりあえず初日としてペアを揃えたい。そういう願望に、欲望が謙虚化しています。さて、木を照らしていきます。乾燥しすぎる勢いの天候の中で、樹液をダラダラ流す木、樹皮めくれがある木、それらを緊張感を持って照らしていきます。マイマイは、見つけたら即掴みです。そうしないと、ぽろっとサヨウナラになります。そして、突如現れるのが心臓に悪い。突如現れ、秒速で正確に採集しなければならない。それが実にスリリング。速度のある虫なので、さっき見たところに数秒後に現れたりもする。マットブラックのボディーがバッと懐中電灯のど真ん中に現れ、即懐中電灯を下げなければならない。それでいて、いた場所を暗記しており、1歩の足踏み地響きも立てず正確に同場所を再現し照らさなければならない。照らした時には、数十センチ移動していることを想定しておかなければならない。その際にどのように採集するかをシュミレートできなければならない。そういう超速で回転する思考と、それでいて着実に採集する明鏡止水がごとく精神状態であらねばならない。叫ぶのは手に取りケースに入れ確実に蓋をしてから。さぁ、いるのか。クヌギ1本1本に、6週目ながら緊張感が走ります。

そうなってくると、自然と同化していきます。同行者は採集・狩猟における1流であるのか、極めて機械的に懐中電灯を照らしていきます。私は、自分の移動を認識されないような歩法で茂みを掻き分けます。しかし、やはり気になるのは逃したあの木です。その木は、鼻先位のところから樹液が出ており、地上4mほどのところからわずかに樹液が出ている。そして、地上6mくらいのところからまた樹液がでているという状況です。とくに地上4mくらいのところの樹液は少ないながら極めて良質らしく、カブト・クワガタがたかっています。木の根元から上まで慎重に照らしていきます。すると、信じられない光景が!!

なんと、あの落としたマイマイカブリ、まさしくそのものが、樹液のど真ん中を独占してるではないですか。マイマイカブリを飼育し、分かりましたが、あのムクロはお尻を突き出し他の甲虫を吹き飛ばす役割も持っているようです。とくに、今回採集に向かった福岡地域においては、マイマイカブリはかなり激しく樹液で戦うらしく、カブトムシのような喧嘩傷が多いものが非常に多いです。デカく、迫力がありますが、カンピンが少なく、穴が空いていたり、足が欠けていたりは珍しくありません。特に多いのはエリトラ割れで、樹洞に頭を突っ込むため、ヒラタに挟み割られるようです。さて、そういう強靭なマイマイカブリが、樹液の真ん中に足を広げ居座っており、その周囲にカブトムシやコクワガタがいるという異様な光景が映し出されました。即懐中電灯を降ろします。同行者に、地響きを立てず木の下をとにかく踏み固めてもらいます。その間、私は懐中電灯の輪郭が照らす光でマイマイカブリの位置だけを確認し続けます。さぁ、闘いの始まりです。繊細かつスピーディーな戦いです。

気持ちを紛らわせるためではなく、本当に・まさしくあの逃したマイマイこそがそこにいるのです。落ち着いて見ると、やはり大きい。凄まじい量の糖分を消費しつつ脳が高速回転をします。さっきは、シュミレーションが足りなかった。今回は準備も十分、どうあっても採集できる。また、あの大物は大型なりの動きをするらしく、ぽとっと落ちて逃走ということをしないらしい。虫取り網は無機質であり、接触をしても嫌がって動くだけである。だとすると、樹上に登らせない限り勝算は十分にある。かつ、虫取り網はこのようなケースでの戦いのために木に合わせ歪めてある。今回は行ける。さて、マイマイに網を伸ばします。同行者は、地面の身を照らしています。いかに落ちても、採集できるようにするためです。ここまでマイマイカブリの為にしているひとがいるのだろうか。いたら、一晩でも二晩でも365日でも、364年でも飲み明かせそうだ。そういう雑念を振り払い、網を伸ばします。マイマイは網を嫌がり、下の方に降りてきました。刺激が強すぎると、それでもぽろっと行きます。安物の網に5万円の釣り竿の能力を宿すかのように指先に神経をとがらせ繊細に誘導します。頭よりも40㎝ほど高いところまで降りてきました。デカイ!頭よりも30㎝ほどのところに降りてきました。

手を伸ばしたい!しかしまだこれで確保すると体勢が不安定である。顔面の正面にきました。掴みます!!!と言ったのかどうかはわかりませんが、同行者にはそれが伝わったようです。もしかすると、ここまでシンクロすると言語なしに人は意思の疎通ができるのかもしれない。マンモスをハントしていた時代はそうだったのか。今、自分たちは10㎝未満の昆虫の為にそういう意思疎通を行っている。

0.01秒:掴んだ!!採った!!!!!!!!!!!!
と思いましたが、何と、想像以上にデカかった。

0.02秒
個体の分厚さが、圧倒的に予想を超えていました。
十分に落ち着いて採りにかかったのに、予想以上の分厚さに手からマイマイがこぼれました。

0.03秒
2度とやらないと決めたミスが・・・・あれだけ気を付けたのに・・・・・そこまで想定が届いていなかったのか・・・・・
と、マイマイが手をすり抜け空を舞う間に膨大な量のことを思いました。

0.05秒
マイマイのムクロが手から完全に抜け出す

0.06秒
マイマイの落ちる先を考える。

0.07秒
なんということをしてしまったんだ・・・・・

0.08秒
いやでも落ちる場所をしっかり確認できれば・・・・・・

0.09秒
踏み固めておいて良かった


0.2秒
それでもこの闇で見つけられるか。。。


0.3秒
マイマイは宙を舞っているであろう、
そして落ちる。。

0.5秒
おわった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
おわった・・・・・・・・・・・・・・、と思ったんですが、終わった・・・・・と実際に言っていたようです。

0.7秒
落ちた場所を瞬時に照らす!

0.8秒
パサ

0.9秒
緑の草のわきから当地産のマイマイカブリの、
青光りする頭部と、石灰色に汚れたボディーが頭部から順にあられてくる。

1.0秒
そのマイマイがいる部分を土ごと抱きかかえるように両手で飛びつく。

1.2秒
叫ぶ、これですか!?
採りましたか!?!?
これですよね!?!?!?

1.5秒
それです!
間違い無いです、確実に見ました!!!!!


1.7秒
採りましたよね!?
採ってますよね!?!?!?

1.9秒
採ってます、採れてます!!
手の中です、地面しか照らしてないですもん!!

2.0秒
確認


5秒
よっっっっしゃあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!

うわぁあああああああああああやあったっぁああああああああ!!!



逃した獲物はマジで出飼った。
闇夜の山で、カップの中に収まるマイマイカブリを見て、でけぇ。。。と。
車の中で、ぼんやりと照らされるマイマイを見て、これ日本の虫かいと。

IMG_7219.jpg
これほどのモンスターでありながら、一切の欠けの無い美品。
とにかく、徹底的にリベンジを仕切らせてくれる山の演出でした。

とにかく早く帰りたいと二人して思いました。疲れたからではなく、私はマイマイ採集時に噴出物を右顔面に浴び、右目の下が焦げたから・・・・ではなく。明るいところにいって、現実性を感じたかったのです。

上記写真は、もう綺麗になったあとのマイマイです。やっぱり、採集直後の様子は撮影しておけばよかったかなぁ。でも、それよりも真夜中の咆哮が気持ちいいんですよね。マイマイ臭にまみれながら叫ぶ、これほどイカレて楽しい採集は無いんじゃないかと思います。さて、祝杯をあげるために目当ての酒を探しますが、当たり前に有るはずの酒がどのコンビニにも無い、置いてない、売り切れ・・・・・。6件目でありました。どうなっているんだ、この演出。そして、酒を買って駐車場に降り立つと、流れ星が一本走る。素晴らしすぎる演出じゃないか・・・!!もう後付けで、こうだったから、ああだったから上手くいったというのがおこがましい。単に、自然の得体のしれない巡り合せに感謝した一日でした。

採集したマイマイカブリは、厳しく測って60.8mm、普通に測って頭を持ち上げると61.2mm、特にムクロがサイズを稼いでいます。首が強健であり、腹部がすらっと長いマイマイカブリの特徴を思い切り持った超美麗ホンマイマイだと思います。福江で無くて、離れ島でなくてこのサイズ、特大級だと思います。

IMG_7223.jpg
首、顎が強健で、採寸途中に顎をかみ合わせ、
パキィ!という音を立てました。

IMG_7228.jpg
中々上手く写せないんですが、体高が非常に有る個体で、
盛り上がった腹部と分厚い胸部が滑り出した原因でした。
エリトラサイドのブルーラインも極めて美しい個体です。

IMG_7240.jpg
この産地らしく、青い。
首は東京や神奈川周辺の黒っぽくなった個体程度の青さですが、
それが全身に行き渡っているため、エリトラ全体も青みを帯びた個体です。
本当に美しいと思います。

IMG_7243.jpg
福岡・福江で採集し、九州には大きく分けて3パターンの形状が同産地でもあるのかな、と思います。
・近畿と変わらないようなでっぷりし、短足の個体。
 これらは、55mm位で頭打ちをする傾向があるように思う。

・エリトラ部が非常に細長いような、
 長く伸びた個体で、胸部が非常に発達した個体。
 凄みがあるのが特徴で、大きい。
 エリトラわきのブルーラインが顕著に輝く。
 2015年度に手にしたお気に入りの個体、そして今回採集のこの個体に該当する。
 この形状は、兵庫の一部でしか見たことが無く、その兵庫の一部でも、
 そのような形状の個体はでかかった。

・簡単にいって、GX50みたいな個体。
 ゴツくて、太くて、体積が圧倒的なもの。
 2015年度に不カンピンながら目にしており、圧倒的は迫力に絶句した。
 不カンピンの為リリースしたが、あのような個体を追い、手にする事が出来なかった。
 その時の個体の計測サイズが59mm。

まだ数日有るので、
西日本で見られるようなタイプではなく、
ゴリッゴリモンスターが見たいよ!!
採集者の欲望は再現がありません。
そして、可能性は際限が有るように思います。。。
のこり2日のチャンス、夢はかなうのか!?
いやそんな簡単にかなうわけがない!!

つづく


九州遠征-マイマイカブリを追うドラマ②

2017.08.25 (Fri)
逃した獲物は大きい。

逃した獲物は物理的にサイズが大きい。
そして、逃した獲物が精神に与える影響が大きい。

その後、樹液があふれ出る木を発見。嗅覚で昆虫を探させない人であれば見つけられないような位置に、つららのように樹液泡が固まり地面にぼたぼたと垂れる勢いで樹液が出ている木を見つける。そして、その樹液の塊の10㎝下に樹洞があり、大きな腹部が顔を覗かせている。九州のヒラタだ!こいつも是非採集のレパートリーに入れたいところです。暫く待っていると、大きなヒラタがぬろぉ~と体を表しました。下から樹洞を抑えて・・・・・・しかし、その木の根元まで行くのがなかなかに大変。木の根元まで下草を掻き分けてたどり着くころには、その振動でヒラタは姿を消してしまっていました。これは絶対に採るぞ・・・・・。クワガタは、洞にいる限り採れるのでまずは一度休戦です。

それにしても虫っ気が少ない夜でした。樹液が出ているところがわずかにはありますが、コクワやカブトが見当たらない。そして、さっきのマイマイカブリはもう過去のものとなってしまった。切ない気分になってくるのでありました。先ほどのマイマイカブリは大きかった。もちろん、それ以上のサイズも山にはいるのでしょう。ですが、大物に王手をかけておいて逃しています。もう、心の中では2人とも大きなマイマイカブリよりも、「あのマイマイカブリ」を追いかけているのです。あのようなマイマイカブリではなく、逃してしまったマイマイカブリへの想いを追いかけているのです。もっと大きなものが採れたとしても、でもあれ「も」手中に収めていれば・・・・そういう採集家の底知れぬ欲望が渦巻くのです。なにも手に入れていないのに、欲望と後悔だけが渦巻くのです。何にも遭遇しないままその周が終わりました。

さて、5週目に入ります。流石に漆黒の山を5周するのにはくたびれます。脚に得体のしれない倦怠感がまとわりつきます。そして、心にも得体のしれない喪失感がまとわりつき始めました。細かにポイントとトラップをチェックしていきますが、とにかく虫気が少なく驚きや刺激がありません。無風の池でアタリの無いウキを眺め続けるような途方もない気分になっていきます。ふとマイマイカブリに遭遇するんじゃないか、そういう期待と、そんなに巡り合えるはずがないという現実の狭間に宙ぶらりんにされたように夜の山を進みます。そして、何と何事も起きないまま5週目が終了しました。

最後にヒラタの出ていた木に寄ると、ヒラタが体を出していました。それも、不自然なほどに!靴が半分脱げる勢いでブッシュに突撃します。網でヒラタを洞から遠ざけます。2人での共闘です。流石にワイルドクワガタのパワーだけあり、すんなりと動いてくれません。しかも、半枯れの針葉樹がよりかかるクヌギであり網を動かすごとにおびただしい量の針葉樹の枯れ歯と木くずが舞い落ちてきます。眼球が限界です。しかし、これ以上のロストをすると心まで失いかねない。照らしにくい木の下から2人でライトでクワガタを確認し、大顎に網をひっかけるようにして落としにかかります。木の表面にしがみつき全力の威嚇姿勢をとるワイルドクワガタは夜のクヌギの樹皮のうえで凄い迫力です。クワガタは、落としても見つかります。木の下の地面も探しにくい風でもありません。凄いパワーで樹洞に向かうクワガタの右顎に網をひっかけ引き落とそうとします。落ちたときの音さえ聞こえれば、こっちのもの・・・・・あっ!!!

クワガタが態勢を崩し、傾きました。無理やり網で下に引き下ろします。「入りました!!!!」という声が聞こえましたが、下から見ると網の中には沢山の樹皮が入ってしまっておりヒラタが入ったのかが分からない。「入りました!?入りましたか!?!?!どこですか!?!?」と無駄な彷徨を山に響かせます「入ってます!間違いないです!!」そんな採集成果に全く響かないやり取りを30秒くらい行い、網を冷静に見てみると・・・・・入っていました。

む、、、、あまり大きくない??
60mmはあるかと思いましたが、どうもそうでは無いようです。やはり、夜は虫は大きく見えます。そのヒラタは、50mm中盤程度のサイズでした。50mm中盤というのは帰宅後計測してからの話ですが、そのヒラタを見たときに、「うん、あのマイマイカブリは、そういうことだからロクマルには届いていないんだろうな。そう思いました。それでも、55mmクラスであっても大変貴重なわけですから、やはりアレが欲しい。マイマイカブリは欲しい。しかし、アノマイマイカブリが欲しい。が、体力はもう限界である。福江の山を無限に奔走した2016年度、更に体力をつけトレーニングをしてきた2017年度。しかし、朝4時起きで、夜中2時過ぎの山で粘り続けるのはしんどすぎる。。もう諦めるしかないのか・・・・。初日、でっぷりした♀のマイマイが欲しいよ!マイマイカブリは左に首を向け、クヌギの別の木の葉が寄りかかっている幹の部分に止まっていました。凄い首の太さでした。ムクロ付近にまだら模様に泥が付いており、樹液をやや吸ったのか腹部がやや浮いていました。それが、右に反転し、木の幹をのたのたと歩きました。その時の様子が、コマ送りのように瞼に焼き付いています。逃した獲物は、なによりも逃したというダメージが大きい獲物なのだと痛感しました。見つけたものすべてを採集できるはずがありません。しかし、なぜこうにも魅力的なものは逃しやすいのでしょうか。そろそろ最後、という気分で6週目に入ります。

体力・精神力が尽きてくると、妙なジンクスを追いだすものですね。ヒラタもリベンジできた、マイマイカブリもリベンジできるんじゃないかなぁ?さあ、深夜の山中徘徊初日もラストのターンとなりました。この山のマイマイカブリ生息密度はどうやら薄いようですが、しかし、マイマイカブリは歩行が非常に速い虫です。ラストのターンで巡り合える可能性だって、十分あるのです!

つづく



九州遠征-マイマイカブリを追うドラマ①

2017.08.25 (Fri)
急に現実に戻り、急に激忙に還り、あの夢のような現実がどんどん写実的から絵画的に心の中で変わっていく。と、感じている今日この頃です。九州遠征から帰り、早1週間が経とうとしています。ですが、今回の遠征採集は、間違いなく人生最高の採集であり、人生最高濃度の旅であり、成果であったため、実は思いだしてみる白昼夢よりも過去となった現実の方がよっぽど輝きがありました。素晴らしい演出もありました。そういう過去を薄れないうちに書き残そうと思います。ホペイフリークの自己満足日記ですが、採集記についても自己満足のみでやっていきたいものです。

8月中旬、期日は迫ってくると急接近、気が付けば出発の朝となっていました。今回の遠征の目的は3つでした。一つはマイマイカブリの採集です。もう一つは、ホペイの品評会、そして、3つ目は釣りでした。この記事では採集記に絞り思い出を残そうというところです。関東は曇天が続き、梅雨の終わりは梅雨の始まりであるとでも言いたげな天候でした。新幹線に早朝から乗り込み、静岡、愛知と過ぎていくうちに天候が回復していきました。岡山、広島、山口と乗り継ぎ、福岡県に到着しました。多忙明けであり、深夜に休み早朝に出発する、そういう強行でありながら、いつも採集については謎の活力を与えてくれるそぞろな旅気分が伴います。

到着し、一息ついてからバナナトラップを仕掛けに行きます。私の採集は・・・いつも瀬戸際です。いつも、1分1秒刻みの採集をします。有休も取れません。ゆっくりトラップをかけ、ゆっくり撮影をし、景色も撮影しておき・・・・そういう余裕はいつもありません。福江でも、採集時の様子は全く採集できていません。嗜みというよりは、目的意識が極めて明瞭な狩猟であるという印象です。よって、場所非公開ということではなく、写真そのものがありませんが、ご了承ください。バナナトラップは、画鋲で刺していきます。これも効率を上げる為です。今回は、ホペイ・釣り・採集の3点で尊敬及び親しませて頂いている方との同行でした。夕方には100単位のバナナトラップの設置が完了しました。福江島で、バナナトラップを仕掛けながら、トラップの仕掛け方のノウハウについては2015年度福岡遠征を省みながら更に学ぶことができました。今回はそれを踏まえ仕掛けていきました。

有望な場所は複数ありましたが、ある山に照準を絞りました。色々なところをどんどん回っていくよりは、手返し良くまわり集中的に1ラベルのマイマイカブリのマックスサイズを狙うためです。マイマイカブリはクワガタと違い、がつがつとかぶりつきながら餌を食します。よって、マイマイカブリがバナナトラップにくっついている時間は飼育の経験上長くて30分であると考えたからです。

マイマイカブリのサイズはバス釣りに似ているなぁと思います。40UPより、それなりに見れる型になってきます。46mm位に壁があり、50UP となると急に難易度が増します。ヒメマイマイでも、ホンマイマイでも、50UPは立派です。そこから、53mm位に壁があり、急に50台後半に乗ってくる感じです。で、なんといってもロクマルに大変大きな壁があります。その壁を超える方法は割りと簡単で、シンプルに五島に行けばよいのです。ですが、本州・四国・九州でロクマルを狙いたい。これが今回の採集の最大の目標でした。

関西・姫路で200頭近いホンマイマイを一日に採集したことが有りました。最大は50mm後半。これをロクマルと呼びたいところでしたが、しかし自信をもってロクマルかというと違う。2015年度福岡遠征にては、採集前に採集してもらったマイマイに大型が2頭いました。1頭は57mm、もう1頭は58mm位。もう60mmと呼んでも良いであろう巨体でしたが、それでも自信を持って言えるロクマルではありませんでした。そこから3日間採集を行いました。ロクマルを目標に!そうして、10頭以上のマイマイカブリを採集しました。しかし、どれも50mmを超えている贅沢な結果ではあったものの、ロクマルを超えるものはいませんでした。が、面白いこともありました。600m位の山で採集をしているのですが、200m付近で採集したものが別種のように脚が長く、そこのメスを是非見てみたいと思ったものでした。サイズも非常に立派で、高いところのマイマイは小さいという概念を覆してくれる迫力の♂でした。

さて、話を戻し、トラップをかけ終わり回りますが、今期の九州はひどかった。関東とは対照的に、いつもは樹液ダラダラのエリアが雨の少なさにより樹液が全く出ていない。バナナトラップよりもなによりもマイマイを寄せる担保がありません。マイマイは雨が降ると出てくると言いますが、私の考え方はそうであり、そうではありません。ことトラップ採集においては、雨が降らないカラカラ続きの方が良い成果をだすと思っています。マイマイカブリにとっての水分・餌が不足するからです。更に樹液も少ない。これは、トラップにおいては非常に良い条件なのではないか、そう感じたのは事実です。そして、大漁の予感を根拠なしに感じてしまったことも事実です。無論、結果は予想通りでは全くないのですが。

さて、漆黒の闇の山中徘徊1週目のスタートです。1週目から、小ぶりのマイマイカブリのオスをゲットする事が出来ました。とはいえ、期待が大きすぎてものすごく小さく見えましたが・・・家に帰って測ると51mm、立派な雄です。のみならず、胸部が渡良瀬遊水地並みの青さである非常に美しいオスでした。さて、不安が増しました。採集時刻は19:30、この時刻にサクッと1頭目が採れて幸先がいいことが過去になかった。。。

予想通り、2週目、3週目、と全くマイマイカブリが来ません。かつ、生命感も乏しい夜でした。さぁ、泥仕合です。私の最も得意とするところです。全く諦めない、体力で物を言わし、地道にひたすら一定のモチベーションを維持しつつ自然を舐め上げる。それでも、有力ポイント、パワースポット、鉄板ポイント、期待ポイントとしたいうち、鉄板ポイントで反応がありました。同行者の朋友は、マイマイカブリがいたときには、いつも私に採らせてくれます。しずか~~~~~~に、「YYさーーーん、いましたよ~~~~~」とまぁ、こう言ってくれますが・・・・その彼が、「ちょっと・・・・・・・・・・・・あれ・・・・・・なんですかね・・・・・・・・違いますかね・・・・・・???ですよね???」という今までにない反応。見上げてみると、頭上3m位のところに、マットブラックの影が。マイマイです!

さて、これを網で緩やかに降ろしてきますが、折りてくるとデカい!!大きいので、動きが違います。ぽろっと木から落ちてしまうのではなく、のったりのったりと降りてきます。大物です。脈拍が上がります。ものすごい首の太さです。遂に出会う事が出来ました。夜中は、昆虫は大きく見えます。60mm台と思われても、54mmのヒラタだったりします。このマイマイも、まだ大きさがはっきりません。ここで失敗をしました。それでも50mmを超える甲虫です。落とせば、絶対に採れると思ったのです。

2015年の8月の同時期のことでした。徘徊に徘徊を重ねようやくマイマイカブリが樹液にありついているのを見つけました。やったーーーーー!!いたーーーーー!!おったーーーーー!!わぁああああ!!!・・・・・ぽろっ!・・・・・・・・・・・・あっ・・・・・そうして、マイマイカブリが消えました。この間、僅か2秒です。2秒で、落ちたマイマイカブリは正に、消滅しました。どう探しても、いません。マイマイカブリの樹液採集においては、ぜっったいに、落としてはいけないのです。

しかし、今回は油断がありました。デカいのです。凄くデカいのです、なので、見つかるであろう。それよりは、得体のしれない茂みに落とす方が危ない。そうしてわざと落としたのです。懐中電灯で照らしていました。ぱさっという音と、草が揺れた様子も記憶に鮮明です。しかし、マイマイカブリは消えました。逃した獲物はデカイ・・・・・・・・いや、本当にデカかったのか???いずれにしても、新しいことをまた学びました。逃した獲物はデカいというか、獲物を逃すと逃した獲物についてしか考えられなくなる。その後いくら大きいのを採っても、「でもあれが手中に納まっていればもっと幸せだった」。逃した獲物って、単に逃したわけではない。手中に収めるチャンスがあり、その上で逃した・・・そりゃ精神的にデカいですよね。

さて、そこから必死で落ちた付近を探し、ため息をつき、落胆をし。ポジティブなことを言ってみて、それでも逃した獲物が心から消えず、そして新たな獲物はなんと現れず、夜が更けていくのです。虫の神様は、生中なことでは微笑んでくれないようです。でも、微笑んでくれないわけでも無いようです。なんと、奇跡の挽回があったんです・・・!!


つづく

九州遠征-マイマイカブリを追う旅

2017.08.12 (Sat)
2017年度も豊作の年となりました。
菌糸瓶の種類、温度管理、様々な要素を乗り越え、
素敵な個体を誕生させる事が出来ました。

2017年度の目玉はGX50-Gとなりました。
IMG_6202.jpg
圧倒的な安定感、縦横比r津、ボリューム、美しさを有する個体群です。

数値も一線を超えたものをたたき出してきます。
ですが、その中で影を潜めているGX50インラインこそがこのラインの核となっています。
アウトを行った際の爆発力、限界数値を引き延ばす性質として、
血そのものに価値がある大切にしていきたいラインです。
IMG_6181.jpg

IMG_6224.jpg
50Gの腹が収まらないことが有る副作用も軽減されてきて、
かつアウトラインを行うことでこのような副作用がゼロになることが確認できています。

来年度もGX50、GX48Aとのアウトラインが多数生まれます。
色々な要素がありますが、結局良い個体を出す最強の添加物は、
◯と◯◯と◯◯だと強く感じています。
今期もプレ企画等を通じて多くの方と接点を持たせて頂きましたが、
◯と◯◯と◯◯を添加されている方はもれなく凄い個体を出されていました。

さて、九州遠征です。
美麗マイマイも素敵ですが、やはり私はまっ黒で、
エリトラの両脇に強くブルーのラインが出る九州のマイマイカブリが大好きです。
毎年これに焦がれ、そして旅に出ます。
昨年の夏は、旅に出そびれてしまいました。
GWの福江遠征で消耗しきったというのもありました。
今年はばっちり遠征ができます。

昆虫採集・釣り・酒と、
現実から隔絶された少年の夏休みを満喫します。
もちろん、この遠征の中で、ホペイ談義も行います。
ああだこうだといいながら沢山のホペイを見たい、
2015年度の目標でした。
今年は、良個体だけでなく、多様な形質の個体を産出することができました。
他の方の視点も交え、どのような血統造りが面白そうか、
これまた勉強になりそうです。

割り出しも終わり、250頭のノルマ+50頭の確保にも成功。
7月後半より殺人的な忙しさで、なんとか個体の発送も終わり・・・
GX50もあっという間に予約済となりました。
もう飛ばせる個体は残っていません。
来年度の予約も頂きましたが、正直そういうやりとりはしんどかったので、
とりあえず来年度の予約はここまでの5件まででストップしたいと思います。

順風満帆なホペイのスタートも切れています。
暫くホペイの記事はストップ、更新したとしても、
数字のみが面白い程度の幼虫写真や、
合同な瓶の写真ばかりになります。
その合間で、採集記や釣行記を更新しようと思います。



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